兒玉遥はうつをどう乗り越えたのか?『おむすび』出演につながった730日の休養と再生

元HKT48の兒玉遥さんは、アイドルとして大きな注目を集めた一方で、活動の中で心の病を経験し、2度の休業を経て約2年間にわたって芸能活動から離れました。

2025年9月、兒玉さんは自身の経験をつづった著書『1割の不死蝶 うつを卒業した元アイドルの730日』を出版し、アイドル時代の苦しみや療養生活、そして現在について明かしています。

そこには、病気になったことで人生が終わるのではなく、立ち止まった時間の中から新しい人生を見つけていった一人の女性の姿があります。

そして、その先にはNHK連続テレビ小説『おむすび』への出演という大きな転機がありました。

目次

HKT48の中心メンバーだった兒玉遥に何が起きたのか

出典:Instagram

兒玉遥さんは2011年、15歳でHKT48の1期生として活動を始めました。

「はるっぴ」の愛称で親しまれ、HKT48のシングルでセンターを務めるなど、グループを代表するメンバーとして活躍しました。

若くして大きな舞台に立ち、多くの人から期待される生活は、華やかである一方、心身への負担も大きかったのかもしれません。

兒玉さんは後に、自分自身に対して厳しすぎたことを振り返っています。

自分の悪いところやできなかったことを書き続ける「反省ノート」を作り、自分自身を責め続けていた時期もあったと語っています。

何でも完璧にやらなければならないと思い、自分に高い期待をかけ続けていたことが、心を追い詰める一つの要因になったと本人は振り返っています。

ここから見えてくるのは、真面目な人ほど自分を責めすぎてしまうことがあるということです。

眠れない日々から始まった心の変化

兒玉さんは、病気になる前から眠れない日々を経験していたことを語っています。

翌日の仕事への不安や、頭の中に浮かんでくるさまざまな考えによって眠れなくなることがあり、次第に心身の状態にも変化が現れていきました。

会話がうまくできなくなったり、人前で笑顔を作ることが難しくなったりするなど、本人にとっても苦しい状態になっていったそうです。

そして兒玉さんは、双極性障害、いわゆる躁うつ病と診断された経験を著書の中で明かしています。

ここで大切なのは、病気になった原因を本人の性格だけに求めないことです。

病気にはさまざまな要因が関係するため、本人が自分を責める必要はありません。

兒玉さん自身も後になって、自分を責めすぎていたことを振り返っています。

病気になったときに必要なのは、「自分が弱かったからだ」と考えることではなく、「今の自分には休むことが必要なのかもしれない」と気づくことなのではないでしょうか。

2度の休業と約730日が兒玉遥を変えていった

兒玉さんは2017年に活動を休養しましたが、一度復帰した後、再び休養することになりました。

2度の休業を合わせて約2年間、芸能活動から離れることになりました。

芸能界では、長期間仕事を休むことは決して簡単なことではありません。

しかし、その時間が兒玉さんにとって、自分自身を見つめ直すための大切な時間になりました。

本人は後に、「休む勇気も必要だった」と語っています。

これは、病気で苦しんでいる人にとって、とても大切な言葉ではないでしょうか。

早く元気にならなければならないと思うほど、焦りが生まれることがあります。

周囲が先に進んでいるように見えると、自分だけが取り残されたように感じることもあります。

それでも人生には、立ち止まる時間が必要なことがあります。

休むことは、人生から逃げることではありません。

もう一度自分の人生を歩くために、いったん立ち止まることも人生の一部なのです。

母親の愛が、兒玉遥を支えた

療養生活の中で、兒玉さんを大きく支えた存在が母親でした。

母親は兒玉さんを必要以上に励まそうとするのではなく、普段と変わらない生活を続けながら寄り添ってくれたといいます。

お母さんのご飯を食べることが幸せだったという兒玉さんの言葉からも、特別なことではない日常が支えになっていたことが伝わってきます。

また、母親からかけられた「何があっても私が守るから」という言葉も、兒玉さんの心に残っているそうです。

病気になったとき、人は自分の力だけで何とかしようとしがちです。

しかし、ときには誰かに支えてもらうことも回復への大切な道になります。

何か特別なことをしてもらわなくても、一緒に食事をしたり、普通に話したり、いつもの日常を過ごしたりすることが力になることがあります。

人を救うのは、必ずしも大きな言葉だけではないのです。

病気になる前の自分に戻るのではなく、俳優として新しい人生へ

兒玉さんは2019年6月にHKT48を卒業しました。

そして、その後はアイドルではなく、俳優として新しい道を歩き始めました。

ここに、兒玉遥さんの人生を考えるうえで、とても重要な意味があります。

病気を経験した後の人生は、病気になる前の自分に完全に戻ることだけが答えではありません。

新しい道を選んでもいいのです。

アイドルとして活動していた頃とは違う場所で、自分の可能性を探してもいいのです。

兒玉さんは舞台や映画、ドラマなど俳優として活動の幅を広げていきました。

そして2024年、NHK連続テレビ小説『おむすび』への出演をつかみました。

病気と休養を経験した女性が、その後に俳優として新しいキャリアを築いていったのです。

これは、病気になった人にとって大きな希望になる物語だと思います。

『おむすび』出演は、人生がもう一度結ばれた瞬間だった

NHK連続テレビ小説『おむすび』で、兒玉さんが演じたのは天神界わいの治安を守る警察官、川合紗香さんでした。

女性でありながらたくましく、責任感が強く、地元を愛している人物として描かれています。

兒玉さん自身も、この役について自分と重なる部分が多いと語っています。

さらに、『おむすび』の撮影では、自分が生まれ育った福岡で朝ドラの撮影をすることになりました。

初めての朝ドラ出演を地元で経験できたことについて、兒玉さんは幸せだったと語っています。

ここには、人生の不思議なつながりを感じます。

HKT48のメンバーとして福岡で活動していた少女が、心の病を経験し、約2年間の休養を経て、アイドルを卒業しました。

そして俳優として歩き始めた先で、再び福岡を舞台にした朝ドラへ出演することになったのです。

『おむすび』という作品のタイトルには、人と人とのつながりや、大切なものを結んでいくイメージがあります。

もちろん、兒玉さん自身が『おむすび』出演を病気からの回復と結びつけて語ったわけではありません。

しかし、私たちが彼女の人生を振り返ると、病気によって一度立ち止まった人生が、別の形で新しく結ばれていったようにも見えます。

「元の自分に戻らなくてもいい」という兒玉遥からのメッセージ

兒玉さんの経験から私たちが受け取れる大きなメッセージは、病気になったら以前の自分に戻らなければならないということではないのかもしれません。

人は病気を経験することで、自分の生き方や大切にしたいものを見つめ直すことがあります。

そして、その先で以前とは違う人生を選ぶこともできます。

兒玉さんはアイドルとして成功した後に病気を経験し、長い休養を経て、HKT48を卒業しました。

その後は俳優として新しい道を歩み、2024年には『おむすび』という大きな作品に出演しました。

2025年に出版した自叙伝の中で、兒玉さんは現在の自分についても語っています。

本人は、アイドルになり、うつ病になり、そして現在は俳優として活動している自分の人生について、「自分の人生を愛しています」と語っています。

この言葉は、とても大きな意味を持っていると思います。

病気になった過去を消すことではなく、その過去も含めて自分の人生を受け入れていくことが、新しい一歩につながることがあるからです。

病気になったあなたも、人生をやり直す必要はありません。

今まで歩いてきた人生の続きから、また新しい道を歩き始めればいいのです。

すぐに元気になれなくてもいいのです。

立ち止まる時間があってもいいのです。

誰かに支えてもらってもいいのです。

そして、今まで想像していなかった場所へたどり着くことだってあります。

兒玉遥さんが教えてくれるのは、病気になった人生にも、その先に新しい物語が待っているかもしれないということなのではないでしょうか。

『おむすび』への出演は、その物語の一つの大きな節目だったのかもしれません。

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まとめ

兒玉遥さんは、心の病を経験し、約2年間の休養を経て、アイドルから俳優へと新しい人生を歩み始めました。

そしてNHK朝ドラ『おむすび』への出演は、もう一度人生を結び直すような、大きな一歩になったのではないでしょうか。

病気になったからといって、人生が終わるわけではありません。

立ち止まる時間があっても、遠回りする時間があっても、その先には新しい道が待っていることがあります。

過去の自分に戻るのではなく、病気を経験した自分だからこそ歩ける、新しい人生もあるのだと思います。

兒玉遥さんの歩みは、今まさに苦しんでいる人にも、「人生はここからでも変わっていける」という希望を届けてくれるのではないでしょうか。

これからも兒玉遥さんのご活躍を応援していきましょう。

それではありがとうございました。

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